なんにでも抜け道はあるもので。どちらかといえば、せこい方の。
プロモーションで出てたコレ。リンク先で名前やら会社名やら入力しないとダウンロードが有効にならんのだろうけど、検索したらpdfファイルが見られるというガバガバさ。大丈夫か? pic.twitter.com/6ljHQSWyQf
— 西区のカエル (@slashnsk) 2016年5月22日
某会計ソフトサービスを運営している自由っぽい名前の企業さん。名前や電話番号、会社名などの個人情報と引き換えに、「会社設立に関する無料ガイドの PDF ファイルを差しあげますよ」というプロモーションを行っている模様。
有価値なものとの引き換えの「無料」
不正な方法で集めた「裏名簿」というものにも価値があるのだとしたら、このような方法で集める個人情報は、そのまま見込み客リストとみることができるわけで、さぞ優秀な「名簿」になるだろう。その方法に文句があるわけではないし、不正でもなんでもない。
一度のお問い合わせの後、迷っていた商品を再度勧められることで購入に至ったケースは、自分にもある。しつこいとあれだが、適度のフォローは、逆にありがたいことでもある。
ところが、この方法に無料の 2 文字が付くと、「?」となる。個人情報には価値がある。情報にも価値がある。しかし、情報を「無料」と謳った時点で、個人情報とは等価ではない。現に、集めた個人情報はプロモーションに使用するとの但し書き(別ページにね)がある。
わたしは、「情報」の価値を「無料」にしましたよ。あなたの「個人情報」も「無料」にして、使わせてくださいね。
こんなことを言われたら、「だったら、いらないや」と二の足を踏みそうになりませんか。つまり、この件は事実誤認を誘導している気がするのです。
抜け道その 1、「無料」の使い方。
「無料」どころか無料だった PDF
この PDF ファイルは、URL をばっちり Google 様にインデックスされていて、検索すれば、ダウンロードして、ファイルの中身を見ることができたんですね。クラウドだかなんだか、ウェブサービスのふりしてて検索除外設定もできないとは。本業の程度も知れるというもの。
情報商材屋みたいな個人情報の集め方しといて、この為体。情報商材屋さんはちゃんと URL を隠してますよ。
抜け道その 2、PDF ファイルのダウンロード。
公式アカウントと異なるプロモーション用アカウント
なんだかなー。
本当に公式のプロモーションなのか区別できないし、問い合わせは、別にある公式アカウントを探さなければならないし。ここのプロモーション用アカウントが公式アカウントからフォローされてもいない。
Twitterルール | Twitterヘルプセンター
- 複数アカウントの不正利用: 同一ユーザーが重複使用を目的として複数のアカウントを作成すること、または1つのアカウントが一時的または永久凍結された場合に備えて別のアカウントを作成することを禁じます。
Twitter のヘルプセンターにはこうある。公式アカウントとプロモ―ション用アカウントとが、「重複使用を目的」としているかは、解釈がある点だと思うけれど、プロモーション用のアカウント使って、プロモツイートをしている事例は多くない。企業(もしくは、個別サービスや商品)のアカウントは、多かれ少なかれプロモーションの意味合いがあるのだろうから、分けて運用する理由がない。
「ダメですよ」と書いてあっても、理屈をつけてこじ開けるこの姿勢。「李下に冠を正さず」は、もはや死語なのかしら
ただし、Twitter のビジネス利用は、Twitter によって審査されると聞いたことがあるので、現状は問題ないのかもしれない。
まぁ、分けてあると、邪推してしまうよね。がんばってね。
抜け道その 3、プロモーションとして複数アカウントを作成する。
ユーザー、もしくは、見込みユーザーへの対応
PDF ファイルの件は、ご注進した。Twitter の公式アカウントに「でてますよー」とダイレクトメッセージで。対応なされたようで、今はもう検索でヒットしない。
んだけど、なんらかの反応があっていい気がするんだけどなー。べつにお礼を言ってくれというわけではないけれど。反応があるかスルーか。企業経営のプロの対応に期待してただけにがっかり。某メッセージアプリでの脆弱性発見に対する運営の対応についてのブログを読んだばかりだったこともあって、もやもやーっとする一件でした。
ここのサービスはこの先、使うことはない。
あ。いまも URL 直でファイルを開けるのね。一般論に終始しているだけの内容だったので、リンクは貼らないでおく。
以上、なんにでも抜け道があるのよ、というケーススタディにしか見えないおはなしでした。
「※個人の感想です」
薬事法、厳しいんよね。
大手通販サイトの薬事法チェックのみ受注してる会社があるのを思いだした。こういうときは、「使用者の責任」で逃げられないんだから、「場を提供してるだけでユーザーが悪いことしても知りません」で逃げようとするサービスは、LAN ケーブルで首t(略。ユーザーが「悪いことする」前提のサービスのなんと多いことよ。
注
このエントリーは、『絶望先生』の ミランダ警告 ネタ(二百二十一話)に影響されて書きました。
糸色倫ちゃんが大好き。見返り立ち絵いいよね。後半になるにつれ、智恵先生が出なくなったのが残念でした。リリーナ好きだったもんね、しょうがないよね。
※この物語はフィクションであり、登場する企業・サービスなどの名称はぼかしてありますが、推測できたとしてもすべて架空の内容かもしれません。です。