めかりる

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Surface Pro 3 のタイプカバー(キーボード)の認識と画面の自動回転ができなくなったときの対処

1 週間ほど前から、画面の自動回転が動作しなくなって、なんだかなーと思ってたら、一昨日の夜、今度はキーボードまで認識しなくなった。キーボードは、タイプカバー。

これは困る。ここにいたり、ようやく解決を図ったときのあれこれ録。結果からいえば、タイプカバー(キーボード)の認識も画面の自動回転も、ツーボタンシャットダウンにより解決。

つまり、ツーボタンシャットダウンとはなんですかね、というおはなし。

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「シャットダウン」は、シャットダウンしない

ちょっとした不具合の多くは、再起動でどうにかなる、という経験則。いまでは、もう時代遅れであるかもしれない。なぜなら。

Windows 8 から実装された機能に、「高速スタートアップ」というものがあります。「ハイブリッド・ブート」とも。

これは、シャットダウン時に一部の機能を「シャットダウン」ではなく、休止状態にとどめておき、次の起動の際のプロセスを簡略化することで、パソコンの起動を早くする機能です。

「高速スタートアップ」に対し、従来の起動方法は、「コールドブード」や「フルブート」といいます。コールドブードの場合は、すべての起動プロセスを簡略化することなく行うので、シャットダウンの際にも、すべての機能が「シャットダウン」されていました。

Surface Pro 3 では、デフォルトの設定で、この「高速スタートアップ」が有効になっている。また、もはや、Surface Pro 3 だけでなく、現在、販売されているほぼすべての Windows 機に搭載されている機能でもあります。

このため、これまでの、通常どおりシャットダウンして「PC を再起動したら不具合が治った」は、一概に通じなくなる状況が生まれました。

高速スタートアップの設定確認

こちらから。

  • コントロール パネル > ハードウェアとサウンド > 電源オプション > システム設定
    • 電源ボタンの定義とパスワード保護の有効化 > シャットダウン設定

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「高速スタートアップ」については、以下に詳しい解説があります。

ツーボタンシャットダウン

上記の「シャットダウン設定」の項目で、「高速スタートアップを有効にする(推奨)」にチェックがある状態では、シャットダウンはすべて次の起動時に「高速スタートアップ」するための簡易なシャットダウンです。

簡易シャットダウンで、休止状態になる機能にデバイス設定があります。この部分の保存、再読み込みにおいて、キーボードやディスプレイに影響する不具合が起こるようです。

起動プロセスを簡略化しない「コールドブート」を行うためには、完全なシャットダウンをしなければなりません。この完全シャットダウンは、「ツーボタンシャットダウン」とよばれる方法で行うことができます。

解決策 5: ツー ボタンによるシャットダウン

(警告) Surface RT または Surface 2 では、このプロセスを使用しないでください。

このツー ボタンによるシャットダウン プロセスは、Surface の電源を完全にオフにするために使用します。方法は次のとおりです。

  • 手順 1:
    • スタート Windows ロゴ に移動して、[電源]、[シャットダウン] の順に選択します。
    • 通常の手順で Surface をシャットダウンできない場合は、電源ボタンを 30 秒間押し続けます。
  • 手順 2:
    • Surface の電源がオフになった後、ボリュームを上げるボタンと電源ボタンを同時に押し、そのまま 15 秒以上押し続けてから、両方のボタンを離します。
    • 画面に Surface ロゴが短時間表示される場合がありますが、両方のボタンを少なくとも 15 秒間は押し続けてください。
  • 手順 3:
    • ボタンを離した後、10 秒間待ちます。もう一度電源ボタンを押して離し、Surface の電源を入れます。
Surface で Windows が応答しない

「Shift キー」を押しながら

通常の手順で「電源」を表示させ、「Shift キー」を押しながら「シャットダウン」をクリックしても完全なシャットダウンができる。

が、キーボードが使えない不具合だったんだもんで、ツーボタンによる手順で行った。

UEFI(BIOS)画面になることも

ツーボタンシャットダウンは、UEFI(Unified Extensible Firmware Interface)画面を呼びだす際の方法に酷似している。UEFI は、BIOS(Basic Input/Output System)に替わるファームウェアで、従来の BIOS と同じような働き。

ボタンを押すタイミングによって、UEFI が立ち上がることがある。あわてずあせらず、「Exit Setup (セットアップの終了)」みたいな表示を探す。

UEFI が立ち上がる段階では、完全なシャットダウンが行われている。

「再起動」は、コールドブートではないのか

なんども記してきたとおり、電源オプションの「シャットダウン」は、完全なシャットダウンではない。しかし、いくつかのサイトを見てみると、電源オプションで「再起動」を選択した場合、完全シャットダウンを経由して再起動される、とある。

「Windows ヘルプとサポート 電源プラン: FAQ」の該当部分。

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実際、Microsoft のタイプカバーの不具合ページでは、「再起動」を案内している。

ところが、この「再起動」では、キーボードの不具合は解消されず、ツーボタンシャットダウンによって解消した。うーむ。

まとめ

  • 通常の方法でのシャットダウン = 簡易シャットダウン -> 起動プロセスを簡略化する高速スタートアップ = ハイブリッドブート
  • ツーボタンシャットダウン = 完全シャットダウン -> 起動プロセスを簡略化しない機動 = コールドブード、フルブート

ツーボタンシャットダウンは、おそらく、ちょっとした不具合には効果的。

Windows 7 以下からの経験則では、なにか起これば、すーぐシャットダウンしてましたよね。Windows 8 では、「シャットダウン」の認識が変わったので、従来のシャットダウンを行いたければ、特別の方法でシャットダウンする必要があって、それがツーボタンシャットダウン。

Windows 8 以降、記憶に残るような不具合を経験してなかったので、機動が高速になったことだけを歓迎していたけれども、もちろん、その代償というか優先されなかったものがあるんだ、と。

不具合だけでなく、ドライバの更新や Windows Update の後も完全シャットダウンが推奨されるそうです。

だからといって、高速スタートアップを無効にする、というものではない。状況に応じた対処の選択肢が増えせて、よかったよかった、なだけ。