めかりる

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三江線廃線前の「天空の駅」宇都井駅を偲ぶような感じで

2018 年 4/1、三江線が廃線になりまして。三江線ってのは、島根県のほぼ真ん中日本海沿いの江津市から、広島県の地理的な中心にあたる三次(みよし)市までを結ぶ山陰地方と山陽地方とを結ぶ陰陽連絡路線のひとつで、最近よく耳にする「赤字路線」ってやつでした。

ずーっと前から廃線の噂はあったものの、話題に挙がってはいつのまにか沙汰やみになってを繰り返していました。どうやらその噂自体は、JR になったころからのものだそうで、それを思えば長生きしたもんだなと。

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で、廃線決定のニュースを聞いてから、どうしても行っておきたかった駅が、ここ宇都井駅。別名、「天空の駅」です。とはいえ、その機会はなかなか訪れず、廃線ラストイヤーになった去年の今ごろ、ようやく。しかも、旅行のついでに車で立ち寄っただけ。

高さ約 20 メートル、全 116 段の階段をのぼる

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こうやって見上げると、まぁ、高い。よくこんなところに駅をつくったもんだ。

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では、行きますか。

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「あと 106 段」ってまだまだやん。夜はこんな感じにライトアップされるそう。見てないけど。

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踊り場から橋梁を望む。

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ついたー! ってところが駅舎になってます。ホーム側のドアはあるけど、階段側にはない。

駅舎とホーム

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お。あの伝え聞く伝説のノートですね。

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駅舎もけっこう広いし立派。

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ホームの両側はトンネル。

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おおふ。それなりの高さですね。

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おやおや、ちょうどよく(いけしゃーしゃー)列車が来ましたよ。先頭車両のみラッピング。キハ 120 300 形ディーゼルカー三江線神楽号ですねー。

三江線には乗れんずく

このへん、まったく不案内な地域ってわけではなく、べつにちょっとした用事のついでに江津駅に行ったこともあるのですが、このときも、隣の江津本町駅まで散歩しただけ。三次駅も行ったことあるけれど、ホームを見物して移動という感じ。強い目的を作れなかったんですよね、三江線とその周辺。もったいないというかなんというか。

一時期、江津市が「地理 A 」の教科書で東京からの移動時間が最も長いと書かれていて、そんな称号を逆手にとった観光資源開発のチャンスにするわけでもないようで。地元の駅員さんやお食事処のマスターも「???」なありさま。このマスターは地元出身だけれども、三江線には乗ったことがないとか。

宇都井駅や同線の「幻の駅」長谷駅みたいに、駅自体が観光地になっちゃってた昨今も、とくになにかあったようでもなく。対策を打とうとするには遅すぎたのかもしれませんが。水運の中心だったころの江の川に沿って、への字型に線路が敷設されているため、江津市三次市間の移動距離が短くなるわけでもないという弱点もあり。島根県内には木次線というもうひとつのローカル線もあって、こっちも廃線の噂がしきりなもんで、トロッコ列車やボランティアガイドなんかで延命策に懸命な状況でもあり。

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江の川沿いをドライブするのはホントに気持ちよくて、今度は廃駅巡りもいいかなー、なんて。とはいえ、三江線にもやっぱり乗ってみたかったよなー、が本音ではあるんですけどね。