ははあ。2 つの「後免町駅」があるんですね。
そう。「ありがとう駅」と「ごめん駅」の 2 つ。
え?
土佐くろしお鉄道の「後免町駅」の愛称が「ありがとう駅」で、とさでん交通の「後免町駅」の通称が「ごめん駅」って感じ。歩いて数十秒。
ああ。言葉あそびですね。で、「ありがとう駅」のそばにある「ごめん駅」の方には、コンビニが入ってると。
ちがうちがう。そうじゃなくって、「ごめん駅」がコンビニ。
???
だから、コンビニが駅。
いや、それ、逆にしても同じことでしょう? コンビニがある駅なんて珍しくもない。
駅の建物の中にコンビニがあるんじゃないの。コンビニなの。駅が。
はい?
ね。
はい。
四国の鉄道事情
先日、JR 四国が話題になってました。
JR四国(高松市)の半井(はんい)真司社長は、これまで公表していなかった路線ごとの収支について、4月以降に立ち上げる有識者懇談会で示す考えを明らかにした。朝日新聞の取材に答えた。地方の人口が減少するなか、四国の鉄道網をめぐる状況が厳しいことを共有し、鉄道ネットワークをいかに維持していくかを模索するのが狙いだ。
JR四国、赤字路線の収支公表へ 鉄道網の維持模索:朝日新聞デジタル
これは、JR 北海道の前線赤字の報を念頭に置いているそうで、まぁ、そういうことです。
JR 四国ととさでんの路線かぶり
高知駅から土佐くろしお鉄道「後免町駅」へは、JR 土讃線奈半利行に乗車して 6 駅、所要約 30 分。高知駅からとさでん交通「後免町駅」へは、とさでん「高知駅前駅」桟橋線で「はりまや橋」まで行って、後免線に乗り換え終点まで 35 駅。所要 40 分強。値段も、470 円と 460 円とでほぼ同じ。
そして、この 2 つの線路も、ほぼ並走してるんです。
ね。かぶってるでしょう。高知駅から西側もこんな感じの並走具合。
「並走してるんなら、いっそ片方は廃線」なんて単純なことではないですが。ちょっとね。経営への影響は推して知るべしなところ、ありますよね。
観光列車で需要の掘り起こしを
翻って、明るい話題も。
四国の観光列車といえば、あの「下灘(しもなだ)駅」で途中停車する「伊予灘ものがたり」や「坊ちゃん列車」、「アンパンマン列車」などが有名ですが、2017 年 4 月から、同時期に 2 つの観光列車がスタートするとのよし。
「四国まんなか千年ものがたり」は、スイッチバック がある坪尻駅を通るようで。これはぜひに乗ってみたいところ。もうひとつの観光列車は、「太平洋パノラマトロッコ」という名称に落ち着いたようです。その後の報道では、どちらも売れ行きは順調なんだって。
なんやかんやいろいろと考えてはいるようです。
四国交通系 IC カードの怪
以前、「 山陰地方に交通系 IC カード導入 」ってエントリーを書いたのだけれど、四国は四国でやっかいなことに。
四国には、交通系 IC カードが早くからありましたが、日本中だいたいの場所で相互利用できるようになってきた Suica とか ICOCA とかのメジャーな交通系 IC カードは、四国のごく一部の地域を除いて使えません。
実は、2002 年には、2014 年開始を目論んだ「四国共通カード」(仮称)構想があったのですが。
- [インターネットアーカイブ] 共通カード導入へ JR四国など3社—四国新聞社
話が進まないことに業を煮やしたのか、高松琴平電気鉄道の「 IruCa 」と伊予鉄道の「 IC い〜カード」が 2005 年に、とさでん交通の「ですか」が 2009 年に、利用開始することに。ことでん(高松琴平電気鉄道)の IruCa は、なんと、日本で 3 番目の交通系 IC カードなんです。また、IruCa は、現行で広く利用されている サイバネ規格 だったこともあり、2017 年中に「 IruCa 」区間において主要交通系 IC カード 10 種が利用できるようにする(逆はできない)と発表しています。
残りの 2 社は、非サイバネ規格のため、相互利用なんて土台無理。
その間、「四国共通カード」構想の音頭をとっていた JR 四国では、香川県の一部でのみ ICOCA が利用できるようになっただけ。
もうなにがなんだか。
さて、「ごめん駅」をもうちょっと見てみよう
余談はさておき。
なにしろ、「へんな駅があったのよ」というエントリーにするつもりだったんです。
路面電車がペインティングされたローソンを別角度から。バスのりばはここで、電車のりばは裏手。
裏側から。線路とホームがあります。終点なので線路が切れてるわけです。どこまでも続かないのです。
扉を開けると乗車券売り場と待合所。いちおう、コンビニとの境界線があります。
ローソン側からの扉。カラーリングは、とさでんバス寄り。
店内のディスプレイが路線図。ローソンがある駅がわかりますね。後免町駅みたいに一体型ではありません。ふつうの停留所。
とさでん交通グッズも売ってます。行先表示板は「ごめん」って掲げて運行しています。物珍しいといえば、そうかな。
お。「ごめん」行の電車がやってきました。「ごめん」の赤がいい感じですね。
2 つの「後免町駅」はこんな距離。
後ろに見えてる高架が、くろ鉄の「後免町駅」。ちかい!
そして、電車はお客さんが乗降すると、15 分くらいで出発していきました。
とさでん後免線の終点である「ごめん駅」も、コンビニ事業者にくっつくことで経費削減を図ってるのかしら。