めかりる

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札幌のぜんぜんがっかりしない時計台

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三大がっかり名所の筆頭に挙げられて久しい札幌市時計台(旧札幌農学校演武場)。実際には、がっかりしないどころか、むしろ、札幌一じゃないかと。小樽や函館にだって負けてないよね。というおはなし。

札幌の人も「がっかりするよー」と言うけれども、北海道民の奥ゆかしさゆえなんじゃないかな。

梁や柱の見えない西欧コロニアル風の木造二階建て。下見板の外壁。130 年の積み重ねを感じさせる床板。近くにある 1968 年再建の北海道庁旧本庁舎(赤レンガ庁舎)より、よっぽど趣のある風格だと思うんだよなー。ビルの谷間に鎮座しているのも、好印象のポイントだと思うけど。

今でこそ、札幌市民の象徴になったの時計台。時計として使われていない時期もあったようだけれども、近所の時計屋さんが無償で整備して復活させたという話もいい。

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時計台と札幌農学校の沿革

時計台の 1 階が展示スペースになっていて、時計台の沿革や「お雇い外国人」教師と卒業生の紹介などが解説されている。当時の窓枠のレプリカ、屋根と外壁の色の変遷、洋食を推進していたけれど財政上の理由から和食に変わっちゃった、赤レンガ庁舎にも付けられている赤い星(五稜星)は開拓使のシンボルマークだよ、などなど。

てっきり五稜郭と関係があるのかなと思っていたけれど、そうではないみたい。サッポロビールも赤星がついてるものがあるよね。

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あとは、お引越ししてきたんだよー、とか、図書館時代には受験生が列をなして席取りしてたんだよー、とか、もともとは実験室だったんだよー、とか。

2 つのホンモノ

1 階は展示スペースや事務スペース、売店などで、いくつかの部屋に分けられているが、2 階に上がるとたいそう広い建物であることに驚く。天井板がないため、解放感もある。入学式や卒業式、祝賀会などが開かれていたという。今は、市民ホールとして借りることができるらしい。昔の針や部品の展示なんかもあった。

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正面玄関側の真ん中は、時計の機構がはいっている部分。そのわきに、時計機構がむき出しになってる文字盤が透明な大きな時計が一台。なんとレプリカでなく、時計塔に使われている時計と同じ、米ハワード社製の本物。

部品の製造なんかやってないのだから、ストックとしての価値もあるだろう。

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重りの巻き上げ実演

創建から 3 年後に時計と鐘が設置され、現在の時計塔がある姿が完成した。それ以前は、「小使い」さんが、定刻に鐘を鳴らしていたのだとか。

で、時計なので動力がいる。時計台の時計は、重りを使う仕組みなので、その重りを上にあげなければならない。ハンドルでくるくると重りが入った箱を上げていくので、その作業を巻き上げといいます。ちょうど見学中に展示用の時計を使った巻き上げの実演があった。

巻き上げ時には、圧が途切れないよう、補助動力としてバネが備えられているらしい。

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時計塔には、時計以外にも鐘用の重りを設置するスペースが必要なため、重りが上下する木枠が 2 つある。

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とっけちゃん

ゆるキャラブーム以前からの時計台公式キャラクター「とっけ」ちゃん。公式サイトにも記載が見当たらないほどの知名度で、テレビ塔の非公式キャラクター「テレビ父さん」の人気に嫉妬しているそうな。

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時計台のまとめ

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  • 住所
  • 電話番号
    • 011-231-0838
  • 入館案内
    • 開館時間 8:45 ~ 17:10(17時まで入館可)
    • 休館日 年始 1/1 ~ 1/3
    • 観覧料 大人 200円 小中学生、高校生 無料 団体(20人以上) 180円
  • 備考
    • 駐車場はない
    • 正面の写真撮影のスポットとして向かいのビルの 2 階が解放されていている